劇場版アイカツスターズ!感想① 『ゆめとローラの喧嘩について』
※映画のネタバレが含まれています※
皆さん、劇場版アイカツスターズ!はもう観ましたね?
私は先日、5回目の視聴を終えました。
何度観ても色褪せぬ面白さ、素晴らしい映画です。
さて、今回この記事で話題に挙げたいのは、予告映像が公開された時から印象深かった、ゆめとローラの喧嘩のシーン。あのシーンについて思ったことを、つらつらと書いていきたいと思います。
喧嘩の直接的な原因
さて、ゆめとローラの喧嘩は、なぜ起こってしまったのでしょう?
という疑問があるのも、この喧嘩は簡単に回避できたように思うからです。
喧嘩が起こった直接的な原因ですが、それはズバリ、ローラのゆめに対する言葉が不足していたからです。
学園長から真昼とユニットを組めと申し出があったとは言え、ゆめとは既に一緒にオーディションに出ようと約束を交わているのです。
自分と真昼、ひめ先輩とゆめがユニットを組む話は極秘だから伏せて置くにせよ、どたキャンしてゴメン、と謝るくらいのことをするのが当然の義理です。
これだけで喧嘩は起こらなかったし、ゆめと良きライバルの関係を継続したいのであれば言っておくべきことです。
事情は話せなくても、誠実に謝りさえすれば、喧嘩だけは回避できたでしょう。
学園長からの話を受けるだけなら、ゆめと喧嘩までする必要はまるでないのです。
しかしローラはゆめに対し一言謝ることもせず、それどころかまるで、最初から喧嘩をするつもりであるかのような、あえてゆめを怒らせる言動を取りました。
これでは喧嘩に発展するのは必然です。
なぜローラは、事情は話せないにせよ謝りすらしなかったのでしょう?
ゆめを怒らせるようなことまで言ってしまったのでしょう?
まるで、ゆめに嫌われようとしていたかのようです。
ローラが喧嘩を起こしたきっかけ
その答えは、作中のローラの台詞から察することができます。
まずは一つ目、喧嘩が始まる直前の会話です。
ゆめに対してローラは、
「そんなにひめ先輩のことが好き?」
そう質問しました。
そしてゆめは、
「大好き」
と、返答します。
この返答を受けた瞬間、ローラは真昼とユニットを組むことを決意していました。
そして、ゆめに対して何も告げないことも決意したようです。
つまり、「ゆめがひめ先輩のことが好きかどうか」が、
ローラにとってこの喧嘩を起こすきっかけだったんですね。
しかし、なぜゆめがひめ先輩のことが好きだと、
ローラはゆめと喧嘩しなければならないのでしょう?
「言わない方がいいこと」
次に、ゆめにユニット解消の理由を教えて欲しいと言われた時のローラの返答、「言わない方がいいこともある」について考えていきます。
この、ゆめとのユニット解消の理由たり得る、
「言わない方がいいこと」とはなんでしょう?
以下に、ゆめに対してローラが言わなかったことを挙げてみます。
- ゆめに対してのゴメンなさいの一言
これは言った方がいいことです。喧嘩を回避したいのであれば、しっかり言っておくべきことでした。
- 学園長からの次世代S4育成計画の申し出の件
- ゆめとひめ先輩のユニットの件
これらは言わない方がいい話というより、極秘だから言えない話、です。
これらはいずれも「言わない方がいいこと」に当てはまりません。
では一体、「言わない方がいいこと」とはなんだったのでしょう?
ローラの本心
後々の仲直りシーンを見るとわかることですが、ローラの本心には、ゆめとユニットを組みたいという気持ちがありました。(仲直りシーンを見ずとも、普段の仲良しっぷりを見れば察せることですが)
次世代S4計画なんて関係なく、ローラにはただ純粋にゆめと一緒にいたいという気持ちがあったんですね。
しかし、ゆめはひめ先輩のことが好きなのです。ローラはそれを確認しました。
ローラが自分の気持ちをゆめに告げると、ゆめがいずれ大好きなひめ先輩とのユニットを組むとき、素直に喜べなくなってしまいます。
ローラがゆめと一緒にいたいという気持ちは、ゆめがひめ先輩とユニットを組むとき、邪魔になってしまうんですね。
そう、「言わない方がいいこと」
それは、「ローラ自身のゆめとユニットを組みたいという気持ち」です。
確かに、事情を説明すれば喧嘩には発展しないし、ゆめも傷つかずに済んだかもしれません。
しかし、いずれゆめがひめ先輩とユニットを組むにあたっては、ゆめと一緒にいたいローラの気持ちは邪魔なものになってしまいます。
今のままでは、ゆめとローラは仲良しすぎるんですよね。
だからローラは、ゆめとの現状の関係を壊さなければならなかったんです。
近すぎる自分たちの距離を、無理やりにでも引き離そうとしたのです。
いずれ来る、ゆめがひめ先輩とユニットを組むその日までに。
ローラはゆめのことが好きだからこそ、ゆめがひめ先輩と心置きなくユニットを組めるよう自分の気持ちは一切伝えず…そして、ゆめに嫌われるために喧嘩までする必要があったんですね…
ああ、なんという、ローラのゆめに対する感情…まるで恋愛ドラマの構図ですね…
憧れの先輩とくっつくチャンスを与えるため、わざと嫌われるように喧嘩する健気な親友ポジションの娘…青春恋愛じゃないですかこれは…
余談
以上のことを踏まえてその先の仲直りシーンを見ると、ローラの台詞一言一言が違う意味に聞こえてきます。
このシーンでゆめとローラはお互いの気持ちを告白し合いながら、「ユニットを組む相手が本当に自分で良いの?」と確認し合います。
ゆめからローラに対しての「自分で良いの?」の意味は、わかりやすいですね。
「(実力のある真昼ではなく)自分で良いの?」です。
ローラが言ったことを気にしてたんですね。
ではローラからゆめに対しての「自分で良いの?」はどうでしょう。
「(散々嫌われるような言動を取った)私で良いの?」と解釈するのが普通ですが、ローラの感情を色々分析した今、もう一つの意味もあったのではないかと推測します。
それは、「(ひめ先輩ではなく)私で良いの?」という意味です。
この台詞の真意は、ゆめには伝わっていません。
事情を説明していないので当たり前です。
しかしローラの中にはずっと、ゆめにとって一緒にいるべき相手は自分ではなく、大好きなひめ先輩だ、だから自分は身を引くべきだという葛藤がありました。
そのためにゆめにわざと嫌われたくらいです。絶対に吐露出来ない本心です。
それは絶対に「言わない方がいいこと」だけれども、この「私でいいの?」という問いかけには、その真意がいくらか含められてたのではないか…と、解釈します…
長々と書きましたが、
以上になります。
ローラのゆめへのラブ、凄まじいですね…
「ゆめとユニットを組みたい」
その一言を言うために、次世代S4へのチャンスも、ゆめが大好きなひめ先輩と組むチャンスも、全部ぶっちぎったんですよね…もう、凄まじい愛です…
あー好き、劇場版アイカツスターズ!本当好き……
6回目観に行こう…